オレンジ色の灯り

冬の夜道を歩いて帰る時、駅の大通りから外れて路地に入ると人通りもなくふと不安な気持ちになります。「家まではあと5分の2くらいの距離だろうか」「物騒な世の中だからなあ」なんて思いながら、こころもち足早になっているペースを感じ始めた時、規則的に並んでいるオレンジの灯りの美しさに気が付きました。

それは暗く冷たい空気の中で輝いている家々の玄関の灯りです。それぞれの家に帰ってくる人を向かい入れるその灯りの色は、そこを通りかかる人にまで安ど感や安らぎを与えてくれます。きっとこれはオレンジ色の「人を受け入れる温かな性質」からなのでしょう。その灯りの色を見ていると、家族の団らん風景や、鍋を囲んでいる姿、テレビをみながらくつろいでいる姿などが次々と想像されます。

なるほど、マッチ売りの少女が灯したマッチの炎からはごちそうやクリスマスツリーやプレゼントなどが見えたというのも納得できます。そんなことを考えながら、家の近くまでたどり着いた時、不景気な世の中でも、灯を灯す人の温かさに救われたような思いでした。

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